12/26/2013

Consumer 3DCG applicationの終焉 4/4 Pixarからの手紙

Cars by Disney・Pixar 地上波放映記念

ある日Pixarからの手紙が郵便受けに届きました。
1995もしくは1996年、たぶんその頃。

Application Vendorからメールは、version up 案内もしくはsupport終了のお知らせのどちらか。
その手紙はなかなか衝撃的な後者の内容でした。

「Pixarは映像製作およびrendermanのUnix platform向けに集中し、Macintoshおよび…..での開発を中止....」
ちょうどApple computerの株価が最低価格になった頃だった気がします。

Pixarとは、full CG animation movieのToy Storyを製作したPixar。

今日では気の利いた人なら、ピクサーという会社は知らなくとも、ファインディングニモ、トイストーリー、モンスターズインク等Disney配給映画は誰でも知るところです。
現在は想像できませんが、昔PixarはConsumer向けの$300程度の3DCG applicationも販売していました。
一太郎で知られたJust system同様にソフトウェアベンダーの一つと思っていました。



この手紙のお知らせで当時使用していたPixar Show place、Pixar TypestryとMacromedia swivel 3DのMac ベース3DCGの命運が決定。
(注:2004年から新たにMac platform向けのrenderman packageは発売されているそうです)

振り返ると「Pixarを通じCGIに興味を持った方へ。CGIならMacintosh,.....をやめUnix platformでやりましょう」とも解釈できます。
後々考えるとこの時期辺りで早々にMACに見切りをつければよかったかもしれません。
ちなみに当時、MACはgraphics向きplatformと、まことしやかに語られていました。
そう語る人は身近にも居ましたが、話す内容は基本的に雑誌記事の受売りだった気がします。

時代的にも1990年代前半のことで、Internetどころかニフティ、PC-VAN等PC通信の時代であり、活字媒体および既存mass mediaが、最大の繁栄を謳歌していたころですから。

確かにWindows95では当初graphics applicationは少なかったので当然です。

当時Mac userは、非常にウザイ存在で無闇にMACを褒め称え、やたらDOS/Vを貶す方を少なからずお見かけした記憶があります。

それらMAC エヴァンジェリスト自体はMACでどのようなoutputがあったのか知りません。
OS鑑賞が趣味だったのかもしれません。
自身Macは特段の好き嫌いはありませんが、MACが好きだという奴の存在自体が嫌いでしたね。

Wine好きな方でも、飲むときWineについてやたら薀蓄、講釈をたれる輩が近くにいると不思議なほどワインが不味く感じるようになった経験は、どなたもお持ちでしょう。

それと同様です。
後にJurassic parkで分かりますがCGIは、家庭もしくは職場にあるようなcomputerで、できるようなものではありません。
Jurassic park DVD映像特典に収録されているmaking映像を見ると、想像通りILMはSGIだらけ。
1993年公開ですから、製作は1991-92年でしょうか。
当時officeで使用していたのがMacintoshⅡx+漢字talkと Toshiba Dynabook Windows 3.0。
稼動していたapplicationは一太郎 DOS、エクセル、MSワード。
そんなmachineでは、Alias animator等CGI applicationは稼動する訳もありません。
今考えると、1990年代前半にCGIをやろうとすれば、個人レベルでやれるはコモドール Amiga platform位しか選択肢はなかったかもしれません。これも妥当な選択肢だった疑問です。

なおコモドール Amigaは1994年頃に倒産したようです。因果な話です。
Amigaも、全く国内では普及しませんでした。覚えている限り秋葉原の端に取扱店があった程度。
稀有なほど低い知名度のplatformです。
衰退もしくは倒産に伴いAmiga上の3D application Light wave, Real 3D, Imagine, Animation master、Cinema 4Dなどは殆どWindows へ移植されたようです。

結果として当時CGIを個人的趣味とするには難しい時期でした。


最近読んだ本です。
The Pixar Touch: The Making of a Company
邦題: メイキング・オブ・ピクサー創造力をつくった人々
訳者はビジネス関係に強いようですが、3D CGI自体は殆どわからないようです。
翻訳の苦労に敬意を表させていただきます。
Pixarの黎明期から現在のDisney傘下になるまでのstory。
ビジネス・サクセスストーリーというよりCGI technologyの進歩と映像産業との関わりの変遷を語った本でしょう。
個人的には、CGIでしばしば目にするCatmall-ClarkはPixar社員の名前であったこと、Phong shadingのPhongはヴェトナム人のPhongさん由来である等本の趣旨とは関係ないところで満足しております。
古いデータアーカイブ(MO、 1倍速DVD-R)から、Mac rendermanでのrendering imageを見つけました。Toy story 1の頃に作製。

こんな画像1枚でもrenderingに15分程度かかりました(PowerPC 604)。



追加事項:上記の3D dataを用いたmovie file(quick time format)があります。
Mac renderman + Power Mac で3日程度連続稼動(連番画像 3-400程度)。
The movie is here. 16秒程度?

数年前にあるproprietaryな3D applicationでのrendering image(Dual Xeon)。

modeling dataは若干修正が進んだ同object data使用。
比較的モダーンなPCで5分程度。

Radiocityではないapplication内部レンダラーにて。
この頃のPCになるとOpen GL対応GPUのおかげでmesh objectのhandlingがPowerPC 時代のMacとは操作性が格段の違いがあります。
90年代のMACは3D対応のまともなGPUがなかったのは実に痛かったですね。

元になった3d object data。

original dataは1994年にMacromedia Swivel 3Dでmodeling。
ploygon count 20000程度
ところで18年前のWindows95 PCとは近年のPCの性能は比較にならないほど処理速度が向上しているようです。
よき時代になりました。
ただ近年は往時とは比較にならないほどCG関係の個人サイト自体激減しています。
今のPC環境の劇的改善を考えると、リソースがもったいない気がします。

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